相続は、慣れない手続きへの不安や、家族との思い出が詰まった実家をどうするかという迷いなど、さまざまな課題に直面することが少なくありません。特に、ご実家が空き家になった場合、近隣トラブルや老朽化、税金など、さまざまな問題が発生する可能性があります。
そこで、この解説記事では、熊本市で実際にあった3つの事例を通じて、空き家になったご実家の課題をどのように解決し、不安を解消したのかを具体的にご紹介します。ご自身の状況と照らし合わせながら、解決へのヒントを見つけてみてください。
なお、ご紹介する事例は、個人情報や対象不動産の特定を避けるため、加工や秘匿などの措置を講じております。
ここからは、具体的な事例をもとに、異なるケースや悩みに応じてどのような解決策があるのかを確認していきます。目の前にある悩みの解決に、将来の備えになる、役立つ内容ばかりです。
ぜひ最後までお読みください。
1.熊本市にお住まいのH様が、
「空き家トラブルを避けるため実家じまいを決断した事例」
相続した実家が空き家になり、管理面が疎かになるなどして、近隣トラブルに悩んでいませんか?
この事例では、空き家化による近隣トラブルを懸念したH様が、実家じまいを決断し、無事に売却できた経緯を紹介します。空き家の管理に不安を感じている方にとって、解決へのヒントが見つかるでしょう。
お客様の相談内容
H様が相続した不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。
売却物件 概要
H様が相続し売却を希望する不動産の概要は以下のとおりです。
| 所在地 | 熊本市南区川尻 | 種別 | 一戸建て |
|---|---|---|---|
| 専有面積 | 104.72m² | 土地面積 | 220.64m² |
| 築年数 | 46年 | 成約価格 | 800万円 |
| 間取り | 5LDK | - | - |
相談にいらしたお客様のプロフィール
熊本市にお住まいの50代のH様は、昨年お母様を亡くされ、市内のご実家を相続されました。すでにご自身の持ち家があり、ご実家に住む予定もなかったため、しばらくそのままにしていました。
しかし次第に、近隣から「雑草が伸びている」「ゴミが捨てられている」といった声が寄せられるようになりました。「このままではご近所に迷惑をかけてしまう」そう考えたH様は、実家を売却する決断をされ、不動産会社の門を叩くこととなりました。
解決したいトラブル・課題
H様の課題は、相続した実家を放置していたところ、空き家化による近隣トラブルが心配になり、実家じまいとして手放したいという点でした。
相談する不動産会社の探し方・選び方
H様のお悩みを解決してくれる不動産会社の特徴は、以下のような点に着目するとよいでしょう。
| ・空き家問題に精通した不動産会社 | トラブルを抱えた空き家の売却は、通常の不動産取引とは異なる専門的な知識やノウハウが求められます。空き家の管理や売却実績が豊富で、所有者が抱える不安を理解し、適切なアドバイスをくれる不動産会社を選ぶことが重要です。 |
|---|---|
| ・近隣への配慮を大切にする不動産会社 | 本件のように、すでに近隣トラブルが発生しているケースでは、売却活動においても近隣への配慮が欠かせません。売却に向けた清掃や内覧対応など、近隣住民に不快感を与えないよう細やかな気配りができる不動産会社であれば、安心して任せることができます。 |
H様の「トラブル・課題」の解決方法
H様の不安を解消するためには、まず「実家じまい」を理解し、実家じまいの進め方を知ることが重要です。
実家じまいとは?
実家じまいとは、ご両親が亡くなられたり高齢者施設に入居されたりして空き家となった実家を整理し、手放すことを指します。
実家じまいは、単なる不動産売却ではありません。遺品整理や不用品の処分、電気・水道・ガスの解約手続き、近隣トラブルの解消や管理など、多くの作業が必要です。
特に登記手続きは想像以上に複雑で、今回の相続登記だけでなく、過去の相続登記が未処理のまま放置されているケース、土地の地目が「宅地」ではなく地目変更が必要なケース、建物の登記自体がされていないケースなど、予期せぬ問題が発覚することも少なくありません。さらに税金に関する手続きも加わるため、専門的な知識が求められるでしょう。
多くの人が「先祖代々の家を手放すのは申し訳ない」という思いから、実家じまいを先延ばしにしがちです。適切に管理し続けられるのであれば、空き家のまま所有することも一つの選択肢です。しかし、管理が行き届かなければ、雑草の繁茂や不法投棄、建物の老朽化により、近隣トラブルの温床となってしまいます。
さらに、手放す方法も重要な判断ポイントです。建物をそのまま売るのか、解体して更地にするのか。市場を見極め、買い手のニーズに応える選択が求められます。こうした専門的な判断には、不動産市場に精通した専門家である不動産会社のサポートが不可欠です。
実家じまいに早めに取り組み、信頼できる不動産会社とともに進めることで、複雑な手続きを一つずつクリアし、精神的な負担を軽減しながら、ご実家を適切な形で手放すことができます。
3.結果
H様は、空き家問題に精通した不動産会社に相談することで、実家じまいに向けた具体的な段取りを提案してもらい、売却までのプロセスをスムーズに進めることができました。
特に大きな課題だったのが、過去の相続登記が未処理のまま残っていたことです。しかし、不動産会社と連携する司法書士のサポートにより、今回の相続登記と合わせて一括で手続きを完了することができました。
また、室内の劣化が進んでいたため、そのままの状態での売却は難しい状況でした。不動産会社の提案により、買付が入ってから解体し、更地での引き渡しとする方法を選択。これにより、解体費用を決済金から支払うことができ、H様の一時的な費用負担もほぼ不要となりました。
その結果、近隣トラブルを未然に防ぎ、複雑な登記問題もクリアし、不安を抱えていたご実家を無事に売却することができました。H様からは「一人では到底対応できなかった。専門家に相談して本当に良かった」との言葉をいただいています。
2.熊本市にお住まいのT様が、
「相続した実家の残置物処分問題を解決した事例」
相続した実家の片付けが進まず、売却を諦めかけていませんか?
この事例では、実家じまいで直面する「残置物」の問題を解決し、兄弟間の意見の相違も解消できたT様の事例を紹介します。実家の片付けに悩んでいる方にとって、解決へのヒントが見つかるでしょう。
お客様の相談内容
T様が売却したい不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。
売却物件 概要
売却したい不動産の概要は以下のとおりです。
| 所在地 | 熊本市北区龍田 | 種別 | 一戸建て |
|---|---|---|---|
| 建物面積 | 112.61m² | 土地面積 | 202.55m² |
| 築年数 | 42年 | 成約価格 | 850万円 |
| 間取り | 5LDK | その他 | - |
相談にいらしたお客様のプロフィール
熊本市にお住まいの50代T様は、お父様を亡くされ、弟様とともにご実家を相続されました。お二人とも既に自分の家庭を持ち、今さらご実家に戻る選択肢はありませんでした。
「売却しよう」という結論自体は、兄弟の間ですぐに合意できました。しかし、いざ売却の準備を始めようとすると、想像以上の壁が立ちはだかりました。ご実家には、お父様が生前使っていた大量の生活用品や、趣味で集めた品々がそのまま残されていたのです。
「これは残しておきたい」「いや、それは処分した方がいい」何を処分し、何を残すべきか。兄弟で話し合うたびに意見が食い違い、片付けは一向に進みませんでした。思い出の詰まった品々を前に、どこから手をつけていいのか分からなくなっていました。
そんな中、T様はプロに相談してみようと思い立ちます。売却の準備が整っていなくても、ひとまず査定だけでもしてもらい、今後の道筋を相談できるかもしれない。そう考え、不動産会社を訪ねることにしました。
解決したいトラブル・課題
T様の課題は、家の中のものが多すぎて兄弟で片付け方針が揃わず、売却の準備が進まないという点でした。
相談する不動産会社の探し方・選び方
T様のお悩みを解決できる不動産会社の特徴は、以下のような内容を挙げることができます。
| ・提携している業者がある不動産会社 | 遺品整理や不用品の処分は、専門業者に依頼することでスムーズに進めることができます。信頼できる専門業者と提携している不動産会社であれば、紹介や手配のサポートを受けることができ、手間を大幅に省くことができます。なかには、整理品の一部を買い取ってくれる業者もあります。 |
|---|---|
| ・遺品整理の経験が豊富な不動産会社 | 遺品整理は、単なる不用品処分ではなく、故人や家族の思い出と向き合う大切な作業です。遺品整理の経験が豊富で、依頼者の心情に寄り添いながらサポートしてくれる不動産会社を選ぶことが重要です。 |
T様の「トラブル・課題」の解決方法
T様の課題を解決するためには、まず実家じまいの最大の難所ともいえる「残置物」の処分方法を知ることが重要です。
T様の「トラブル・課題」の解決方法
空き家に残された家具や家電、衣類などの「残置物」は、売却前に全て片付ける必要があります。特に故人の遺品整理は、感情的にも難しい作業です。スムーズに進めるためには、事前の準備とルール作りが重要になります。
まず大切なのは、家族間で「何を残し、何を処分するか」の基準を明確にすることです。以下のような分類ルールを決めておくと、作業がスムーズに進みます。
必ず残すもの
重要書類(権利証、通帳、契約書など)、貴重品、形見として残したいもの
写真に残して処分
思い出の品だが保管場所がないもの。写真やデジタルデータとして記録を残す
すぐに処分できるもの
明らかなゴミ、使用済みの日用品、劣化した衣類や寝具
また、作業を進める際は「部屋ごと」または「カテゴリーごと」に整理し、期限を決めることも重要です。期限がないと決断を先延ばしにしてしまい、なかなか進みません。
残置物の処分には、主に以下の2つの方法があります。
自分たちで片付ける
不用品を自分たちで分別し、自治体の粗大ごみやリサイクルに回す方法です。費用を抑えることができますが、時間や手間がかかる上、体力的な負担も大きくなります。また、家族間で意見が分かれると作業が停滞しやすいという課題もあります。
専門業者に依頼する
遺品整理業者や不用品回収業者に依頼する方法です。費用はかかりますが、短期間で全てを片付けることができるため、物理的・精神的な負担を大幅に軽減できます。プロの目で骨董品や貴重品を見つけ出してくれることもあり、重要書類の見落としも防げます。さらに、第三者が介入することで、家族間の感情的な対立を和らげる効果もあります。
ただし、仏壇や遺影などは一般的な遺品整理業者では対応してくれません。なぜなら、やはり故人の象徴であるほか、産廃処分上でも持ち込みが許されないこともあるため、特別な配慮と処分が必要だからです。地元の仏具店や菩提寺に相談し、適切な供養と処分を依頼するのがよいでしょう。魂抜き(閉眼供養)などを行い、適切に処分を行い、先祖への感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
2.結果
T様は不動産会社に相談することで、残置物処分を専門業者に依頼するという具体的な解決策を提案してもらいました。その結果、ご兄弟で話し合う時間が十分に取れるようになり、売却の準備をスムーズに進めることができました。最終的には無事に売却を完了し、ご兄弟で売却益を分けることで、無事実家仕舞いを完了させることができ、お二方とも喜んでいらっしゃいました。
3.熊本市にお住まいのS様が、「維持が難しくなった実家を負担なく整理できた事例」
大切なご実家を手放すことに抵抗を感じて、なかなか売却に踏み切れていませんか?
この事例では、維持管理に限界を感じながらも、実家への想いから売却をためらっていたS様が、最終的に負担なく実家を整理できた経緯を紹介します。実家を手放すかどうかで迷っている方にとって、有益な情報が見つかるでしょう。
お客様の相談内容
S様が相続した不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。
売却物件 概要
S様が相続した不動産の概要は以下のとおりです。
| 所在地 | 熊本市東区下南部 | 種別 | 一戸建て |
|---|---|---|---|
| 建物面積 | 75~80m² | 土地面積 | 200m²超 |
| 築年数 | 45年 | 成約価格 | 700万円 |
| 間取り | - | その他 | - |
相談にいらしたお客様のプロフィール
熊本市にお住まいの50代S様は、数年前にお母様を亡くされ、市内のご実家を相続されました。
ご自身が移り住む予定はなかったものの、幼少期から過ごした家族の思い出が詰まった大切な場所を、すぐに手放す気にはなれませんでした。S様は実家を所有し続けることを選び、年に数回足を運んで草刈りや掃除を行い、なんとか管理を続けてこられました。
ところが、数年が経過する中で、二つの問題が徐々に大きくなっていきました。一つは建物の老朽化。もう一つは、S様ご自身の体力の低下です。草刈りや清掃作業は想像以上に体力を消耗し、往復の移動も負担に感じるようになってきました。
「もう、これ以上実家を維持していくのは難しいかもしれない」と感じながらも、やはり手放すことには抵抗がありました。大切な思い出の詰まった場所を、どうすればいいのか。迷ったS様は、すがるように不動産会社に相談することにしました。
解決したいトラブル・課題
S様の課題は、実家の管理負担に限界を感じているものの、思い出が詰まった場所を手放すことに抵抗があるという点でした。
相談する不動産会社の探し方・選び方
S様のお悩みを解決できる不動産会社の特徴には、以下のような特徴を見出すことができます。
| ・所有者の気持ちに寄り添ってくれる不動産会社 | 実家を手放すことは、単なる不動産取引ではありません。依頼者の心情を理解し、無理に売却を勧めるのではなく、どうすれば依頼者の不安や後悔が少なくなるか、という視点でアドバイスをくれる不動産会社を選ぶことが重要であり、信頼に値するといえるでしょう。 |
|---|---|
| ・多様な選択肢を提示できる不動産会社 | 売却だけでなく、賃貸やリフォームなど、その不動産に合った多様な選択肢を提示できる不動産会社であれば、依頼者が納得して最終的な決断を下すことができます。ご実家を残したい気持ちを考えたとき、こういった選択肢を提示してくれるのは、本当にありがたいことです。 |
S様の「トラブル・課題」の解決方法
S様の葛藤を解消するためには、まず老朽化した実家を保有し続けるリスクを把握することが重要です。
老朽化した実家を保有するリスク
思い出の詰まった実家を手放したくないという気持ちは、とても自然なものです。しかし、老朽化が進んだ実家を所有し続けることには、想像以上のリスクが潜んでいます。
まず、維持管理の負担は年々重くなっていきます。建物が劣化すればするほど、修繕や維持管理にかかる費用と手間は増え続けます。定期的な草刈りや掃除も、年齢を重ねるごとに体力的な負担となり、継続が難しくなっていきます。
次に、倒壊による賠償責任のリスクも無視できません。築年数の古い建物は現在の耐震基準を満たしていないケースが多く、地震や台風で倒壊する危険性が高まります。もし倒壊して近隣に被害を与えた場合、所有者として賠償責任を問われる可能性があります。
また、管理が行き届かない空き家は、犯罪や不法行為の温床になりやすいという問題もあります。不法侵入や不法投棄、放火などの対象になりやすく、近隣住民に不安を与えることになります。さらに、人が住まなくなった建物にはネズミやハクビシン、シロアリなどの害獣・害虫が住み着きやすく、繁殖すれば近隣にも被害が広がります。
管理不全の状態が続くと、自治体から「特定空家」に指定される可能性もあります。指定されると固定資産税の優遇措置が外されるだけでなく、改善命令に従わなければ行政代執行により強制的に解体され、その費用まで請求されることがあります。
金銭面でも負担は続きます。固定資産税や都市計画税は、所有している限り毎年発生します。建物を解体して更地にすれば優遇措置が受けられなくなり、税負担が一気に跳ね上がることもあります。
さらに深刻なのは、建物の老朽化が進むほど資産価値は下がり続け、やがて買い手がつかなくなることです。売却を決断した時には、すでに手遅れということもあり得ます。そして何より、自分が管理できなくなった後は、子どもや孫の世代にこれらの負担と問題を引き継ぐことになってしまいます。
2.結果
S様は、空き家問題に精通した不動産会社に相談することを決めました。
担当者はまず、S様の実家に対する想いをじっくりと聞いてくれました。その上で、将来起こり得るリスクを客観的に、しかし押し付けがましくなく説明してくれたのです。
不動産会社は、売却に向けた具体的なスケジュールを提示し、各段階で何をすべきかを明確にしてくれました。思い出の品の整理方法、必要な手続き、売却後の税務処理まで、一つひとつ丁寧にサポートしてくれたことで、S様は安心して進めることができました。
売却が完了した今、S様は「あの時決断して良かった」と感じています。将来の不安から解放され、実家への想いを胸に、前を向いて歩き始めることができました。こうして、S様は後悔なく実家じまいすることができました。